シトロエンへのお乗り換えでアルファロメオの2000GTVが入庫いたしましたのでご紹介させていただきます。
まず、アルファロメオの2000GTVとはどんなクルマ?!ということで調べてみました。
ジュリアスプリントの後継としてデビューしたジュリアスプリントGT(通称105系)はベルトーネのデザインによる美しく斬新なボディとして登場しました。このボディーデザインを手掛けたのは巨匠ジョルジェットジウジアーロです。
この105系アルファロメオは1963年からスタートし、1966年にはジュリアスプリントGTベローチェとなり1967年には名作と言われる1750ccエンジンへ変更されます。このタイミングでアイコニックな段付きフロントフェイスからフェイスリフトされます。
10年ほどの歳月を経て105系アルファはこう進化を遂げていくのですが、エンジンを2000ccにボアアップした最終系がこの2000GTVとなります。
1750GTVから各所が変更され外観ではテールライトやグリルなどが変更点としては大きなポイントと思います。
それよりも特筆すべきはやはり2000ccのエンジンかと思います。1750のエンジンがどうしても注目されがちのこのアルファですが、2000のエンジンはかなり名作と感じます。まずは乗って楽しい!ということ。この小さいボディは当時1300ccでした。流石に1300は非力と感じるところが多い印象でしたので、2000ccまでボアアップされたこのモデルは非常に乗りやすく走る楽しみを感じさせてくれる一台です!1750と2000合わせて8万台を超える生産台数を誇ることからも部品が豊富にあるところも魅力の一つかもしれません。
こちらの車両ですが、昭和48年(1973年)の伊藤忠オート物になります。
車体色は赤が圧倒的に多いアルファでは珍しいマスタードイエロー(正式名称はわかりません、、)です。
ほかのイエローのアルファはもっと濃い色のように感じますが、こちらはベージュに近いイエローでとても良い雰囲気です。塗装も塗り直されたものというよりは当時から維持されてきた燻銀のようなコンディション、エッジ部分が擦れて薄くなった雰囲気なども最高にかっこいいです。
何よりボディのコンディションが良いことが素晴らしいです。錆が進行しやすいこの頃のアルファロメオですが、ここまでしっかりしたボディが残っているアルファは数多くないはずです。長年大切にされてきたコンディションという雰囲気です。事実、現オーナーはシャッター付きガレージでしっかりと管理されていらっしゃいました。
インテリアはオリジナルは黒のビニールレザーでしたが、オーナー様の意向で数年前に張り替えを行いました。
しかし相当に拘られて張り替えを行ったので、デザイン、色含めボディカラーや雰囲気ととてもマッチしています。純正より純正らしい感じに仕上がっています。
エンジン関係はジェントルなインテリアやボディとは打って変わってやる気仕様にチューニングが施されています。
ハイコンプピストンやハイカムをはじめとした専門店によるチューニングが施されており走れ走れ!と訴えかけてきます。しかし耐久性を著しく低下させるようなレーシングエンジンではなくあくまでスポーツドライブを最高に楽しむ仕様とのことです。走行距離も27500kmと低走行ですが、機関メンテ後の走行距離も1万キロ程度と慣らしがようやく終わったかな?ぐらいです。
ホイールもよく見るカンパニョーロのホイールとは違い、モダンなデザインのものが装着されています。オーナー曰くレア物だそう。たしかにかっこいい!こちらの方が好みかもしれません!
かなり機関にはお金をかけられてきたので特別やるところはないとのことです。
車のコンディションと価格についてですが、車は骨董品と違って走ってなんぼ!です。ですので同じ車両が違うところでこの値段で売ってるよ!という議論は成り立ちません。車両コンディションでもボディ、エンジン、ミッション、その他機関、インテリアなど様々です。ヨーロッパでは徹底的にレストアされた車両とオリジナルコンディションを保ったクルマの2パターンが人気です。
どちらも相場からは逸脱した価格で取引されます。これはオリジナルコンディションを保ってこられたオーナー諸君にたいする敬意と徹底的に細部までこだわったレストアを最高品質で行ったエンジニアに対する敬意の値段と思います。
相場ばかりを気にするのではなく、本質的な部分を見てクルマを選んでいただけると生涯を共にできる一台に巡り合えるのではないかと思います。
アルファロメオ 2000GTV
年式:1973年製(昭和48年)
走行距離:27,500km
ステアリング:右ハンドル
ミッション:5速MT
車検:R7年9月25日
価格:ご成約ありがとうございます