1935年、ピエールブーランジェの下でシトロエンは
“2人の大人と50kgのジャガイモを載せて60km/hの速度で走っても卵が割れない”
車を作るという目標を掲げた計画がスタートした。
高次元の要求をクリアすべく、度重なる試作の末に2年後の37年に試作一号車が完成する。しかし、大戦の影響で一旦計画はストップしてしまい、実質的に販売に至るのは10年以上経った後になってしまった。
48年のパリサロンでのデビューを飾った2CVであったが、ブリキ小屋や缶詰などと言われ酷評を受けた。
しかし、安価な価格設定と優れた走行性能と乗り心地の良さから、多くの派生モデルを生みながら結果的には40年以上に渡って生産され続ける超ロングセラー車となった。
61年には2CVの上級モデルとなるAmi6がデビュー。
大型化されたボディと602ccのエンジンから2CVよりも余裕のある車両となっていた。69年にはロベールオプロンが手掛けたAmi8へとバトンタッチをする事となる。
2CVは多くの派生モデルを生み、
67年には後継モデルとしてディアーヌが登場し、引き続いてビーチクルーザーのメアリーも登場した。
DSと2CVの大きなレンジギャップを補うべく登場したのが70年に登場するGSである。
GSはエンジンの大きさの割に大きなボディを有しており、非力な面が懸念されたが、DS由来のハイドロニューマチックと優れた空力特性もあって、非常に高い走行性能を有していた。この車両で得られた知見は74年に登場するCXへもフィードバックされた。
86年まで製造され続けたGSはミドルクラスのBXへとバトンタッチし、
エグザンティア、その後のCシリーズと進化を遂げていく。