私は兄(故人)のカーデザインの仕事を手伝ってたのは大学4年生の時でした、お互いに夢を見て突き進んでたのを今も懐かしく思い出します。毎日毎日、FRPの粉にまぎれて京都の山奥で格闘してました。ようやく作品が完成して東京のショウが終わり学生の私は就職しなくていけませんでした。もう働くその年の3月でした、笑。
やはり車が好きな私は自動車販売会社マツダに入社させていただきました。ありがとうございました。マツダが好きでした。
面接の1週間後に初出勤です。何と言うスピード入社、マクドナルド並みです。車への愛情とメカニカル知識は 私が言うのも何ですが、、群を抜いてました。商売はこう 有るべきものと 考えてる土台は父(故人)がいつも 商売の事を私に話してました。戦後、ワラを拾いそれを刻んで建設資材で売り歩いたとか、3兄弟でグラインダーモーターのメーカーを立ち上げた苦労話から おとぎ話のような実写ノンフィクションですので それはそれは聞いていて面白かったです。その会社は今も健在で「淀川電機製作所」と言います。父は営業マンでその時 ドラマで「どてらい男」の実際のモデルとなりました山善商店の創始者の山本猛男社長と三輪バタバタで砂利道を福知山など遠方まで商品を売り歩いたらしいです。その山本社長にしこまれ、社長は商売の神様とまで云われてました。
私の話に戻ります。マツダに入社しましたら、当然 営業マンですから車を売らなくてはいけません。毎日毎日ちらしをカバンに2000枚詰め込み、葛野大路八条から洛西ニュータウンまで徒歩で通いました。新入社員は車なんてありません、途中の桂大橋の長いこと、長いこと。なけなしで買った背広、革靴は雨の日も容赦なく、叩かれます。雨に濡れた背広は翌日乾かなくて、翌日はセーターで出勤したりもありました。余りに足が冷たいので革靴を見るとすり減り、裸足と変わりませんでした 。何とか売りたい、、と言うより これで良いのだろうか、と悩み始めました、ある日 全く来場者が無いので手作りのチラシを作りました、もう恥ずかしいくらいの汚い出来、笑。それを作っていたのを見て先輩がおお笑い、配ったら駄目なのか？と思いましたが思い切って 10キロ離れた住宅地へ、、。
なんと その週末に ご夫婦がルーチェを見にこられました。2000枚のチラシと手作りのチラシ500枚の結果でした。本当に嬉しくて 嬉しくて、、、。
ですから 今でも当社にどんな用事でもお客様がこられると、とても有り難く感じてますし 感謝してます。ご来店頂く有難さがしみました。
どてらいヤツの山善商店は父に聞くところによると会社を訪れた方には 郵便配達人でも ケーキとコーヒーを出すのだそうです。その時代は非常に贅沢です、山本社長はご来店下さった方々に最大の感謝を現しておられたと思います。時は過ぎても商売の基本はここにあると思います、私も充分な対応が出来ているとは思いません しかし そうなりたいと 目指している事は紛れも無い事実です、これからもよろしくお願いします。
