1955年にパリサロンで華々しくデビューを飾ったDS
トラクシオンアヴァンの後継モデルとしてのデビューでしたが、最初の数年は併売というかたちでトラクシオンの販売も継続されました。
この頃のDSは60年代のデザインとは異なり、どちらかというと50年代までのシンプルな所に手仕事の味が加わる様な暖かなデザインだと個人的に思います。
このインテリアデザインは55年に登場したDSからマイナーチェンジされた2代目の設となります。
このモデルはベーシックなID19なのでセミオートマチックでは無く、4MTです。
この当時からフランスではプラスチックを多用し出しますが、このIDにも多くのプラスチックパーツが使われています。
イタリア車なら金属を使う所をあえて当時としては先進的なプラスチック製とする事で最先端をアピールしたのかも知れません。
50年以上の月日を経たこのパーツを見ると、とてもチープなのにカッコいいと思ってしまいます。
高級感は無いけれど、そこには豊かさが感じられる様な。
全てを綺麗にする事も正解です。
しかし、ちょっと古ぼけた感じもいい年の取り方をした方から感じられる魅力の様なものを受けます。
このIDは1960年式です。
ルーフは白塗りとなっていますが、とても良い表情をしていて、輸入される前にイギリスでレストアを受けています。記録も残っていますが、それよりもボディのスクラッチ痕や、鈍く光るアルミの表情はとても美しく感じるので出来たらこの表情を愛し、このまま乗って頂きたいと思います。
カチャっという音と共にドアを開ければそこには50年代からする香りと、ダッシュボードとフロントウインドーを介して見える景色はいつもと違う物になる事と思います。
1960 ID19 4MT
※12V仕様に換装しております。
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